物はいいのになぜ売れない?
起業を始めようとするきっかけの1つに、良い商品やサービス・コンテンツを思いついたのでこれをたくさんの人に知ってほしい!使ってほしい!と言う思いがあるから始めたと言う方が多いのではないでしょうか。
たくさんの人に喜んで欲しいと思っているからこそ早く広めたいのになぜかモノが売れない。
そんな悩みを抱えている起業家はとても多いはずです。
今回はそういった悩みの原因の1つをお伝えさせていただきます。
商品やコンテンツには自信があるのに…
インターネット上で例えばYahoo!のニュースやその他のニュースを見るときに、まず1番初めの記事から順番にクリックをしていく人は少ないと思います。
もしかしたらその記事を読んでみたらとっても有益な情報が載っているかもしれない。すごくお得な情報を見逃しているかもしれない。
だけど読むことはない。読んでもらえない・・・。記事を書いている側にとってこんなに寂しい事は無いですよね。
実際私もそうでした。今のビジネスを展開し始めた頃、サロネーゼさんや主婦の起業家が増えている中「みんなちゃんとビジネスができてるのだろうか?」「思ったような売り上げを上げることができているのかな?」「もう少し〇〇したらサロネーゼから脱皮できるのに・・・」と日々感じることがありました。
私は過去のキャリアや経験から営業や企画力、そして収益化には一般の主婦よりは少し自信があったので誰かの力になれないかな…と思っていました。そして、私が勉強したネットマーケティングの仕組みの作り方や売り上げを上げるノウハウを困っている人に教えてあげたいなと思っていました。
しかし、いくら発信してもなかなか反応を感じることができなかった時期があります。お客様に出会うことさえできたら自分の力を発揮できるのにとモヤモヤする毎日。
そんな時、気あることがきっかけでお客様に「見つけて」もらえるようになったのです。
お客様に見つけてもらえるキャッチコピー・タイトルとは?
それは、商品・サービスのタイトルやキャッチコピーによって反響が全く異なる、ということだったのです。
そこで今回は”お客様に見つけてもらえるいいタイトル(コピー)”、”ダメなタイトル(コピー)”について専門家の話を交えながらいくつかご紹介させていただきます。
まずは狙いが強すぎてダメだったコピーの事例
「日本の◯◯」シリーズ
・日本のベニス(ベネチア) →富山県内川
・日本のグランドキャニオン →青森県深浦町
・日本のマチュピチュ → 兵庫県竹田城跡
・日本のコートダジュール →静岡県松崎町
こんなフレーズ聞いたことありませんか?
「地域再生の失敗学」などの著者がある明治大学の飯田教授によると、観光地がこういった宣伝文句を採用する際のダメポイントを指摘しています。
1.観光地は他では味わえない体験のPRが重要なのに自ら二番煎じであると認めているフレーズである。オリジナルではありませんと宣言しているようなもの。
2.本家とのギャップが旅行者の満足を引き下げかねない。
ということから実は観光客はどんどん減少しているとのこと。華々しいキャッチコピーをつけたつもりが完全に失敗していると言えるかもしれません。例外として「日本のモンサンミシェル」こと広島県契島は来客数は増えているそうですが・・・。
「和製◯◯」シリーズ
日本の◯◯と同じく「和製◯◯」も耳にしたことがありますよね? サッカー界では和製ベッカム、和製メッシなどありましたよね。スーパースターのように期待され、そこまで至らないと言うことで「和製◯◯」は大成しないと言うイメージがついてしまっていると言えるかも知れません。
以前総務省が「和製スティーブ・ジョブズ計画」と言う、奇抜なアイデアを持つ人を支援したり表彰するプロジェクトを行いました。当初、「ジョブズ氏のような人を探す計画」と言われていました。
しかし人を募集する際には「ジョブス氏のイメージが先行すると、本人と比較されるのを嫌うなどして募集が集まらなくなる」ということから「異能」や「へんな人」言葉をキーワードとして募集をしたところたくさんの人が集まったそうです。表彰者の一人は「”和製ジョブス”というコピーを知っていたら応募しづらかった」と言っていたそうです。
「こだわりの〜」シリーズ
次は飲食店の事例。
「心尽くしの〜」「旬の〜」「厳選◯◯」「こだわり抜いた」「丹精込めて」などのフレーズの看板やメニューで見かけますよね。
実はこういったコピーをつけているお店は、本当に味が良くてお店の雰囲気も良くスタッフも愛想が良い、といった高評価のお店であっても流行っていない・・・と実態があるそうです。
「こだわり」も「伝統」も、客を増やしたい飲食店がまずやってはいけない宣伝コピーだそう。具体性に乏しく消費者の心にささらないということが理由です。
いわば、「何も言っていないに等しい宣伝文句」→「空気コピー」と呼ぶそうです。「空気コピー」は「その店に特段の”売り”がない」と宣伝しているようなもの。
※湘南ストーリーブランディング研究所 川上氏による
なるほど〜と思いますよね。確かにそういうコピーに心踊らさせることはありませんよね。
どういったコピーが消費者の心に刺さるのか?
キャッチコピーにはブランド向上用と反響喚起用の2種類があり、これらを混同しないことがポイントだそうです。
「ブランド向上用コピーとは、組織のイメージや既存顧客の満足度を高めるための広告を指す。重要なのはイメージなので、利用するフレーズは抽象的で聞こえの良いコピーでも構わない。一方、反響喚起用コピーは新規顧客を獲得し、商品の拡販を担う目的の広告で、具体的で消費者の不満や欲求に強く訴えかけることが必要だ」とウェブマーケティングを支援する後藤ブランドの後藤氏は言います。
既に組織として成り立っていて、そのブランド力を高めるためには”ブランド向上用コピー”、まだ世間に知られていない商品・サービスが顧客を獲得するには”反響喚起用コピー”ということですから、私たちのような個人の起業家に必要なコピーはブランド向上用のコピーではなく反響喚起用のコピーが必要だということですよね。
反響喚起用コピーをつけよう!
「反響喚起用」ってどんなん?と思いますよね?
専門家が指摘するその条件は2つあります。
1.常套句で無い事。常套句とは「決まり文句」ですね。
2.消費者にとってのベネフィット(相手が得る利益)を強く伝えていること。
例えば、正しいコピーとして有名なのが「iPod」の売り文句です。「ポケットに1000曲を」でしたね。iPadではなくiPodという音楽を聞く機械なのですが、スマホがとても優秀になったのでもう知らない方もおられるかも知れませんね。
iPodが生まれた時、たくさんのメーカーが同じような商品を開発しましたがそこで打ち出したコピーは「世界最小」とか「最軽量」、「大容量」といったものが多かったのです。
こういったコピーは機器の性能をPRしているものですよね。
一方iPodは直接消費者にダイレクトに伝わるコピーだったことで売り上げはiPodの完全勝利でした。機械的な機能、内容はほぼ同じなのに。
コピーをつける際のポイントは「消費者の心をとらえること」。たかがコピー、されどコピーなのです。
興味を持ってもらうキャッチコピーとは?
先日とても面白いニュースを耳にしました。元AKB48の篠田麻里子さんが結婚されたとのこと。「玄米」という共通点から電撃結婚と言うニュースでした。
ここで使われたキーワードが「今流やりの玄米婚で篠田麻里子が電撃婚!」ですって!
私はプッと笑ってしまいました。「今、流行り?」「玄米婚?聞いたことないけどはやっているのか・・・??」と。
そして次の瞬間「うまいな」と思いました。だって、私はすぐさま「玄米婚」ってネットで調べそうになったのですから・・。
このようにキャッチコピーが原因で今まで全く興味を持ってなかった人にまで興味を持ってもらうということもあるので、どれだけキャッチコピーが大切か?ということなのですね。
まとめ
中身は良いのに「残念な商品・サービス」になってしまわないためにも、是非ともキャッチコピーは安易につけずじっくりと消費者のニーズ、心に届くキャッチーな言葉を考えてみて下さい。
まだ全く市場を得ていない起業家の場合、
・相手へのベネフィット(利益)がきちんと表現されているか?
・常套句ではなく直接的な表現であるか?
・消費者の体や心にがつんとくるメッセージが届けられているか?
この辺を吟味して是非ともあなたの素晴らしい商品サービスをこの世に広げてみて下さい。
そして、素敵なタイトル・コピーをトップページに表示すること。トップ画像とはお店の看板のようなモノです。トップにそのお店の魅力が載っていないと「あ~、このお店私には関係ないわ」「私の欲しい情報ではないわ」とすぐさま閉じられてしまいます。 せっかく訪れてくれたお客様が扉を開けてすぐ帰ってしまう、ということがないように、お客様があなたのの商品・サービスで得られるベネフィットがきちんとわかるように表示してあることが重要ですよ!